日本と葬儀の考察
高齢化が進み参列者が減少
日本人の平均寿命は、厚生労働省の2004年度の調べによると男性で78歳以上、女性で部 85歳以上となっています。 このくらいの年代になると、勤めていた会社との縁も切れ、地方から都会へ出てきた人は、親族とも疎遠になり、葬儀に参列するような深いつきあいをしている人はごく限られています。 交流があっても、健康上の理由などで弔問や会葬に出向くことができないケースも少なくありません。 また、喪主となる子世代のなかにもすでに現役を退いた人もおり、そうなると喪主関係の参列者も少なくなります。 現役で働いていたとしても、不況のあおりもあり、企業は以前ほどは社員の葬儀にあまり関与しなくなってきています。 このように、社会全体の傾向として葬儀に参列する人が少なくなり、葬儀の小規模化が進みました。
都市部では隣近所とのつきあいも少ない
さらに都市部では、地域社会とのかかわりが浅く、同じマンションやアパート、あるいは同じ町内に住んでいても、葬儀に参列するほど親しくないというのが一般的です。 その結果、隣近所の人たちが葬儀の手伝いをするという慣習もすたれてきました。 葬儀に地域社会がかかわりをもたなくなったために、家族が中心となった葬儀を行わざるを得なくなってきたともいえるでしょう。
従来の葬儀に対する不満や反発も
立派な葬式でも、ゆっくりと別れを惜しむ余裕がなく、心身の疲れだけが残り、しかも高額な費用がかかる従来の葬儀に対する不満や反発も、家族葬のような簡素なスタイルが増加する一因となっているようです。 東京都生活文化局の調査で、過去5年間に都内で葬儀を経験し、葬儀費用の支払額を知っている人に「お葬式で納得のいかなかったこと」を質問したところ、「何もない(満足していること回答した人は約25%で、約75%の人はなんらかの不満をもっていました。 とくに多いのが「予定よりも派手になってしまった」「費用の追加支払いが多くなった」というものでした。
故人の遺志を重んじた葬儀が増えていく
さまざまな要因によって家族葬が増えてきましたが、さらに今後は故人の遺志にもとづいた葬儀が増えていくものと思われます。 東京都生活文化局の調査によると、家族の葬儀について、「故人の遺志を反映したものにしたい」と答えた人は約70%にも上り、自分の葬儀については、 「形式にとらわれないで行ってほしい」と思っている人が約50%で、「伝統的な様式で行ってほしい」という人は約20%にすぎません。