建築文化とリフォーム
水平を決める作業
~水盛り、遣り方~
地盤を整える作業を行なっても地面は完全に水平になっていないことが多い。かたむいた土地にそのまま建物を建てれば、当然建物もかたむいてしまう。そこで行なわれるのが、京盛りという作業である。
工事現場で、ひざ丈くらいの杭がいくつも立っているのを見たことがないだろうか。あの杭を水杭みずぐいといい、これから建てる建物のまわりに打っていく。そして、レベルという器械を使って、杭の同じ高さ(地面から同じ高さではなく、同一水平点)に印をつける。そこに水貫という板を打ちつける。水貫は水平になっているので、地面を掘るときは、この水貫を目安にしていく。
この一連の作業を、水盛りという。水という字が使われているのは、かつては、実際に水を盛って水平を確かめていたからだ。現在では、測量に使われるレベルや水準器を使って水平を決めている。それから、遣り方という作業に入る。
遣り方とは、水盛りで、打った杭や板を使って、建物の基礎や柱、壁の位置の目安をつけることだ。
地面に地縄と呼ばれる縄を張って、建物の大きさや掘る位置を示しておくのだが、地面を掘るときに縄も一緒に掘ってしまうので、縄はなくなってしまう。そこで、掘る前に地縄に重なるように、水貫と水貫のあいだに水糸と呼ばれる糸をはる。これは、水平を示すためのもので、この水糸にしたがえば、水平に地面を掘ることができる。
工事はこの印にしたがって進められていく。水盛り、遣り方というのは、建物の出来を左右するとても重要な作業なのだ。
